2017年11月29日水曜日

観る年代で映画が変わる Part 21(マダム・イン・ニューヨーク 原題 : ENGLISH VINGLISH)

月日のたつのは早いもので、今週末からもう12月です。


「あんた、うちのお姉ちゃん、柚子持ってきてくれたわ」
「どないしよ ?」  
     
     見ると小ぶりだが、段ボール箱いっぱいだ。
     黄色い実から良い香りを漂わせている。


ジャムにしたらええんとちゃう」

「そやな~、あんたネットで調べてくれへん?

    以前、国産レモンでジャムを作ったことがあった。
    その時も、ネットのレシピを見ながら作ったはずなのに、
    煮詰め過ぎで、レモンの皮が固くなってしまい大失敗だった。
    なにしろ、噛んだら、するめより硬くて歯が立たないのだからどうしようもない。
    今度こそ、失敗は許されない
    しばし、インターネットの検索に没頭する私・・・。

「これ、どや」
    プリンターで打ち出したA4用紙3枚のレシピ、しかも写真の解説付き

「大丈夫やろか、あんた口だけやからな」

「柑橘系のジャムは難しい、スーパーでもあんまり置いて無いやろ」
「自分で作るしか無いんとちゃう、トーストにぬっても、柚子茶にしても最高やで

そんな訳で、妻と一緒に柚子ジャムに挑戦することになりました。

以下は、その手順です。

柚子をきれいに水洗いをして、水をきっておく。
ボールの上にザルをのせ、半分に切った柚子を両手で絞る。(ボールに果汁、ザルに種)
絞り終えた柚子から、スプーンを使い中の白いワタを取り、ワタと皮とに分ける。
白いワタはざく切りにする。
皮を千切りにし、ひたひた水の鍋に入れて沸騰したら取り出す。これを3回繰り返す。
水を良く切った皮と、皮と同量の砂糖と、白いわたを鍋で混ぜる。
鍋を中火にかけ、アクが出てきたらすくい、沸騰したら、弱火にして10分で完成。

御覧のように、一見、いたって簡単に思えます。
ところが、実際は、思っていたよりも大変でした。

「柚子は、無駄がないと言うけど、ほんまやな

「あんた、ヘタだけは、ちゃんと取りや
手抜いたらあかんで!
「あんた、遅いな日暮れてまうわ
・・・・。
    そうこうしながら、ついに完成しました。

めちゃ旨いわ、あんたも食べてみ」



   皮も柔らかいし、味、香りともに、文句なしの出来栄えでした。
    明日から、朝のトーストが楽しみです。

それでは、インド映画「マダム・イン・ニューヨーク」を紹介します。

マダム・イン・ニューヨーク

原題 : ENGLISH VINGLISH
製作 : 2012年
製作国 : インド(ヒンディー語)






監督:ガウリ・シンデー/脚本:ガウリ・シンデー/撮影:ラクスマン・ウテカル/
音楽:アミット・トリヴェディ

出演:シュリデヴィ(シャシ)/アディル・フセイン(サティシュ)/メーディ・ネブー(ローラン)/
プリヤ・アーナンド(ラーダ)/アミターブ・バッチャン

(あらすじ)
主人公はインドではかなり裕福な中流家庭の主婦シャシ。
インド伝統のお菓子、ラドゥを作ることが唯一の楽しみで、
彼女のラドゥは近所でも評判、注文を受けて販売するほどの腕前です。

小生意気な娘と、甘ったれ息子の母親で、子育てと、家事に励む日々を送っていました。
夫にも献身的な彼女でしたが、
英語が話せないというコンプレックスを抱えていました。

娘からは、「ママは英語もできないくせに」と馬鹿にされ、
夫はパーティの席で妻のラドゥが褒められると、
「妻は菓子作りしかとりえがないので」と無神経な言葉。
家族のために頑張っているのに、主婦とは、家事をするのが当たり前、
料理がうまいのも当たり前という扱いに、徐々に自信を喪失し、
寂しさを募らせるシャシ。

そんなとき、ニューヨークの郊外に住む姉から、姪が結婚するので、
その披露宴の手伝いをしてほしいという依頼が。

たった一人では不安でしたが、やむなくシャシは家族より一足先に、
ニューヨークへと旅立ちます。

空港で、機内で、言葉が話せないために起きる様々なエピソード。
コンビニでは満足に欲しいものも注文できず、悲嘆にくれたその時、

目の前に停車したバスに書かれてある広告「4週間で英語が話せる」を目にします。

シャシは、英語学校に通うことを決心するのですが・・・。

そこには、不法入国したメキシコ人の主婦、タクシードライバーのパキスタン人、
無口な黒人、中国か韓国系の女性、そして、シャシをじっと見つめる
フランスの料理人、ローランが・・・。


映画を撮ったのは、39才の若き女性監督ガウリ・シンデー。
本作は、ひとりの主婦シャシのエピソードを通して、
実は今のインド社会全体の問題を描いています
いまでこそ公用語のヒンディー語と同等に英語が話されている教育先進国ですが、
女性が学校に通えるようになったのは90年代末です。
それまでは、いずれ嫁に出す娘を学校に通わせても意味がない、
女の子は弟妹の面倒をみたり家事の手伝いをするのが当然とされていました。
女性で学校に行けたのは、ごくいちぶの富裕層だけだったのです。

本作が長編デビューとなるガウリ・シンデー監督は、
英語が話せなかった自分の母親の姿をシャシに重ねています。
本作のメッセージはラストのシャシの英語スピーチに込められているのです。
とつとつとして

"夫婦と云うものはお互いが対等な立場で協力してやってほしい。
自分が相手から尊重されてないと感じるときは、相手を憎むのではなく、
自分に自信をつけて自分を好きになることです。
自分で自分を幸せにすることが大切だということを私は知りました・・・。"

シャシは、彼女にずっと好意、いや!それ以上の気持ちを抱いて見守ってくれた
フランス人コック、ローランに、
「あなたがいたから私は自信が持てたのよ。ありがとう」 感動!! 

主演シュリデヴィはインドの国民的女優で本作が15年ぶりの復帰作です。

英会話を勉強されている方には、ぜひお薦めの作品です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画「ムトウ踊るマハラジャ」を紹介します。

2017年11月23日木曜日

観る年代で映画が変わる Part 20 (ボス その男シヴァージ 原題: SIVAJI/SIVAJI: THE BOSS)

昨日11月22日は、
いい夫婦の日だったそうです。

仲が良いということは魔法の様なもので、そのまわりを幸せにします。
私たち夫婦も、いつまでもそうでありたいものです。


「あんた、がな」
うちのサンタクロースアマゾンやろ、だって」
「そういえば、去年のクリスマスに娘のとこ行ったら、アマゾンの段ボールがあったわ

「ほんまに、サンタクロースを信じてるんやろか?」

「あんた、夢ないな

「こんど娘に、段ボールを隠しとくよう、ゆうとくは」

もう遅いわ、アホか」

[最近の気になるニュース]
11月21日
アメリカのトランプ大統領は北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再び指定しました。

理由
化学兵器でキム・ジョンナム氏を暗殺
アメリカの大学生ワームビアさんを拷問し、死に至らしめた
テロ支援国家指定解除後に核開発を制限するという約束が守られていない

経緯
1988年大韓航空機爆破事件などを受けて、北朝鮮をテロ支援国家に指定しました。
2008年ブッシュ政権が北朝鮮側と核開発の検証方法で合意し指定を解除しました。

オバマ政権は核実験やソニーの子会社のサイバー攻撃で、再びテロ支援国家への指定を
検討したものの、結局見送りました。

トランプ政権では、アメリカ人の大学生が、ことし6月に死亡したことや、
キム・ジョンナム氏が2月にマレーシアで殺害された事件を受けて、
アメリカ議会などから再指定を求める声が上がっていました。

今月2日にはマクマスター大統領補佐官がキム・ジョンナム氏が殺害された事件について、「公共の空港で神経剤で兄を殺害するような行為は、明らかにテロ行為と言わざるを
えない」と述べたうえで、北朝鮮を再びテロ支援国家に指定するかどうか検討していると
明らかにしていました。

トランプ米大統領は今月5日夜にもホワイトハウスでの軍高官らとの夕食会で、
「嵐の前の静けさだ」などと述べ、何らかの軍事行動を示唆しました。

トランプ米大統領今月7日、北朝鮮情勢に関してツイッターで
「歴代の大統領と政権はこの25年間も北朝鮮と交渉し、合意を結び、巨額のカネを払ってきたが、うまくいかなかった」と批判し、対北朝鮮で有効な手段は「申し訳ないが1つしかない!」と述べました。
また「一連の合意はインクが乾く間もないうちに破られ、米国の交渉担当者を笑いものにしてきた」と、北朝鮮に対する強い不信感を表明しました。

トランプ米大統領は今月14日、今月5日からのアジア5カ国歴訪を終え、フィリピン・マニラの空港から大統領専用機で帰国の途につきました。

注目の8日~10日の訪中時に、習近平国家主席との会談では、主に北朝鮮対応や貿易不均衡是正などが話し合われ、なぜか中国の南シナ海での軍事拠点化などには消極的なように思われました。

中国から数十兆円規模の巨額な交渉の成果をあげ、やはりトランプ米大統領はビジネスマンだったかと、やや失望感を抱かされました。

中国訪問以降トランプ米大統領の口から北朝鮮のテロ支援国家指定が語られなくなっていました。

中国国営新華社通信今月20日、「宋氏が朝鮮労働党の指導者と会談し、党大会の精神と歴史的な貢献を報告して北朝鮮側は党大会の成功を祝った」などと伝えただけで、正恩氏と会談したとは明示していません。また「双方は朝鮮半島問題など、ともに関心がある問題で意見を交わした」と報じましたが詳細は不明です。

11月21日トランプ大統領は北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再び指定しました。

今回の決定により、アメリカがテロ支援国家と位置づける国は北朝鮮、シリア、イラン、
スーダンの4か国となりました。

テロ支援国家に指定する意味
北朝鮮の資金源を断つための国際的な圧力の強化につながります。
北朝鮮と合法的に取り引きしている企業や個人に対しても、『犯罪国家に関係していると見なされたいのか』と問うことができます。
テロ支援国家の指定は国連やアメリカによる制裁の対象者だけでなく、北朝鮮と合法的に取り引きをしている人たちにも影響を与えることになり、北朝鮮に対する圧力を強化する国際的な取り組みを後押しします。

テロ支援国家に指定されると
アメリカからの武器関連の輸出や販売が禁止されます。
軍事力やテロの支援能力を著しく向上させる可能性がある物やサービスの輸出や提供が制限されます。
アメリカからの経済援助が禁止されます。

北朝鮮は絶対に核開発を止めることはありえない
アメリカはこれを絶対に認めない。

北朝鮮のミサイル能力は、あと半年くらいの開発でアメリカに届いてしまいます
最終的には、アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする場合もありうるかもしれません。
北朝鮮がテロ支援国家であることが、その正統性の根拠になりうるのでは・・・?

以前に増して、北朝鮮情勢は緊迫してきたと考えられます。

日本の国会は相変わらず、モリカケです。これで良いのでしょうか。
韓国への渡航に対して、対策を考えなくても良いのでしょうか。
もし有事となれば、憲法の制約などで、自衛隊による韓国内の日本人救出が
難しくなるのではないでしょうか。

それでは、インド映画「ボス その男シヴァージ」を紹介します。

ボス その男シヴァージ

原題: SIVAJI/SIVAJI: THE BOSS
製作: 2007年
製作国:インド(タミル語)


監督:シャンカール/音楽: A・R・ラフマーン

出演:ラジニカーント(シヴァージ)/シュリヤー・サラン(タミルセルヴィー)

(あらすじ)
アメリカでコンピュータ関係の事業に大成功を収めた実業家シヴァージが、
故郷インドに帰国し、貧しい人々のために無償で利用できる病院や大学を
設立しようと計画します。

同時に古風な美女タミルに一目惚れをしてしまい、彼女との結婚を決意します。
そして家族ぐるみでの猛烈なアタックを開始したのです。

しかし、地域の病院ビジネスを独占してきた悪徳企業家アーディセーシャンは、
卑劣な妨害工作で計画を中止させ、シヴァージを破滅に追い込むのです。

全財産を失ったシヴァーシ゛は、一枚のコインで占います。
そして多少卑怯な手を使ってでも果敢にアーディセーシャンと戦うことを決意します。

富豪達のブラックマネーの証拠を掴み、半分を脅し取り、その金をアメリカで洗浄し、
その資金で頓挫した計画を実現させていきました。

だが、アーディセーシャンの罠にはまり、シヴァージは逮捕されてしまいます。
そして、更に命までも…。


シャンカール監督はクレーン撮影や広角レンズを使った撮影方法とテンポの良い編集、
当時の最先端のVFX技術を駆使し、飽きさせずに濃度の濃い画面作りに成功しました。

インド映画最大の映画賞である2008年「ナショナルフィルムアワード」では
最優秀美術賞と最優秀特殊効果賞を受賞しました。

この時VFXを担当したのが、インド最高のCG会社インディンアーティスツで、
そのスーパーバイザーがシュリーニヴァース・モーハンでした。
シャンカールとのこの時の仕事がきっかけで『ロボット』が生まれた
とシュリーニヴァースは語っています。

実在したインドの伝説的な俳優シヴァージ・ガネーシャの一生をモチーフに、
インドにはびこる悪政と貧困を変えようと立ち上がる「ボス」を熱演するのは、
インドを越えて世界を魅了するスーパースター、ラジニカーント。
私財を投げうって無料の病院や学校を建設するという信念を貫き、
貧しい人々から「ボス」と慕われる役柄です。

映画の中でこの役は、インドで実際に慈善活動を続けるラジニカーント自身の姿と
重なります。
またラジニの決めポーズである、コインを手から手に移動させてポケットに入れる
“ラジニスタイル”とともに本作は市民から広く愛されているのです。

インド、タミル語圏が誇るスーパースター、ラジニカーントが大活躍する
マサラ・アクション・ムービーは、上映時間185分。
堂々の3時間超えの大作です。
善玉と悪玉が、やられてはやりかえし…を何度も繰り返し、その合間に歌って踊るのだから、大長編なのは当然でしょう。

ノリノリでエキゾチックなインドミュージックと1曲につき数百人で踊る
大群舞のダンス、ド派手なアクションが活写されます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画で、「マダム・イン・ニューヨーク」を紹介します。

2017年11月15日水曜日

観る年代で映画が変わる Part 19 (あなたがいてこそ 原題 : MARYADA RAMANNA)

11月15日は、七五三の祝いです。

日本の代表的な伝統行事なのに、なんでこんな寒い11月なのでしょうか。

いろいろな説がありますが、その一つが、江戸時代、五代将軍徳川綱吉の
幼少の頃だとか。

若い人なら、徳川綱吉か、ア~、知ってる、知ってる。
モンスターストライクの「犬進撃!生類憐む犬公方(いぬくぼう)」だ、
と言うかもしれませんね。

徳川三代将軍家光は、息子の徳松(後の五代将軍綱吉)が病弱であったため、
無事に成長してくれることを祈願して、当時の鬼宿日にあたる11月15日に、
袴着の儀式を執り行ったそうです。
庶民もやがてこれにならったのが、七五三の始まりとされています。

千歳飴もその元禄時代、アイディアマンである江戸浅草の飴屋の七兵衛
考案したそうです。
長寿を願い、長い袋に千歳飴と書いたのが はじまりとされています。
お宮参りの帰りにおみやげとして買って帰り、親戚や近所に配られました。
「ちとせ」は千年、子供の健康と成長を願う気持ちを込めて、細く長く伸びた形ですが、
最近では、太くて短いものや、丸いものもあるみたいですね・・・!!。

「鬼宿日」とは
鬼が宿にいて出歩かないので、何事をするにも良い日とされています。
お釈迦様が生まれたのも4月15日の鬼宿日なので、吉日とされています。
鬼宿日は、占いの天球から導かれますが、ややこしいので説明は省きます。
ちなみに2017年11月の鬼宿日は、17日です。

そうそう、言い忘れると大変ですが、結婚、入籍、結納などは凶とされています。

但し、あくまで迷信なので、信じなくてもぜんぜんOKだと思います。
でも、自己責任でよろしくお願いします。


ショック、警官にキップ切られたは」
一旦停止違反やて、止まった ?
「短すぎるんやて、ア~7000円パーや」「腹立つ!
「孫が、7000円あったら、ゲーム買えるのになー やて」「ほんまや

やっぱり、今日は、鬼宿日ちゃうんやな・・・」

それでは、インド映画「あなたがいてこそ」を紹介します。

あなたがいてこそ

原題 : MARYADA RAMANNA
製作 : 2010年
製作国 :  インド (テルグ語)







監督:S・S・ラージャマウリ/脚本:S・S・ラージャマウリ/撮影:ラム・プラサード/
音楽:M・M・キーラヴァーニ

出演:スニール(ラーム)/サローニ(アパルナ)/ナジニードゥ(ラミニドゥ)/スプリート(マッラスーリ)/ヴェーヌゴーパール(パイレッディ)/ブラフマージー(アパルナの従兄)

(あらすじ)
コミカルな音楽と共に、モダンアートの背景に黒いゴシックのテルグ文字の上を、
自転車の2個の車輪が楽しそうに走る。
車輪が止まり、カメラが後ろに引かれ、タイトル文字。

1982年、ラーヤラシーマ地方ガンディコタの荒涼とした風景、続いて歌が流れる。

かくも汚れ果てたとこしえの伝統よ、自尊心のために命を差し出し、
抗争のため命を奪う、犯罪の血しずくがとめどなく滴り落ちて、
アレレ、レ・アレレ、レ・・・かくも汚れ果てたとこしえの伝統よ

男が柱にもたれ電話に、"Halo"・・・"そうか、わかった"。
対立する家系、2人の男が殺し合う。
1人はラーガワ・ラーオ、もう1人はラーミニードゥの弟。

弟を殺されたと知ったラーミニードゥは幼い2人の息子マッラスーリ、バイレッディ
と共に復讐を誓う。

だがラーガワ・ラーオも負った傷がもとで息絶える。
ラーガワ・ラーオの妻は、幼い息子のラームを連れて大都会ハイダラーバードへと逃れた。

あれから28年
母も亡くなり、ラームはハイダラーバードの下町に一人で暮らしていた。
ボロ自転車に荷物を積んで配達の日々、それが生活の糧であった。
だがある日、もう自転車ではオート三輪と比べ機動力が著しく欠けるため、クビになる。

そんな折、父親の残した土地の相続ができるという知らせが舞い込む。
その土地を売ればオート三輪が買える。

ラームは故郷へと向かう。
その列車の中で絵の好きな娘アパルナと出会う。だが彼女はラーミニードゥの娘だった・・・。


冒頭の歌詞、
"かくも汚れ果てたとこしえの伝統~"が、物語のベースにあります。
ラームはこの伝統のために命を狙われますが、ラーミニードゥ家には、招いた客は、
誰でも丁重にもてなすという伝統があります。

神聖な家を血で汚してはいけないという掟のため、家の中ではラームは命が守られます。
何とかして家を出ないよう四苦八苦するラーム、
何とかして家から出そうとするラーミニードゥ。

それがコメディタッチに描かれ、歌あり、踊りありで面白く展開します。

ラームのボロ自転車の独り言も面白い。

テルグ映画のジャンルでは、"faction 映画"つまり"抗争映画"と呼ぶらしいです。
確かに、物騒な刀や斧での格闘、残虐シーンもありますが、
目頭が熱くなるような感動するシーンもふんだんにあります。

先がまったく読めないストーリー展開にワクワク、でもラストはキッチリ決めています。

ヒンドゥ語のインド映画と、また一味違います
興味のある人は観てくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回もインド映画で、「ボス」を紹介します。

2017年11月9日木曜日

観る年代で映画が変わる Part18 (女神は二度微笑む 原題 : KAHAANI)

北北西の風4m/s、湿度48%、気温17℃、晴れ。
今日は、とても晩秋とは思えない過ごしやすい気候です。


「あんた、知っとる?」
「トランプさんの韓国訪問で、歓迎夕食会に元慰安婦の人が招待されたんやって」
「それと、竹島で取れたエビを、『独島エビ』としてだしたらしいで」
「何考えてるんやろ!、韓国の大統領 ムン何とか・・・? 言う人」
「理解でけへんわ」
「あんた、なんでや思う?」

「ようわからんが」
日本を怒らすためやろか」

なんで、韓国は日本を怒らさなあかんの

「トランプさんに、日本と韓国の関係がまずいのは、日本の責任だと思わせたいからやろ」

「私、頭が悪いから、その意味わからんわ」

「よう考えてみ、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんは、88才やで
「逆算して終戦の時は、16才ということになる、いくら何でもおかしいと思わんか
「トランプさんに紹介する時に、この人は元慰安婦ですと言うと思うか、言わんやろ」
「この人は長年人権問題で苦労されてきた人ですとかなんとか紹介したんとちゃう」
「料理目録の『独島のエビ』の字の横に英語で単にPrawnと書いてあるだけかもしれん」
「トランプさんは、漢字もハングルも多分読まないと思うな」
「そやから、トランプさんはそのことをあまり気に留めんやろ」
「むしろ、韓国の意図は、日本だけを刺激したいのとちゃうやろか」
「トランプさんが日本に来たときは、韓国はおとなしい
「トランプさんが韓国に来たときは、日本が怒る
「韓国はこの構図を作りたいのとちゃうやろか?」
「トランプさんに、日本と韓国との関係がまずいのは、日本のせいやと思わしたいのと・・・」
「そやから、相手の罠にハマらんよう注意せなあかんのや」

「トランプさんは韓国訪問をどう感じたんやろか?」

「気わるせんかったら、いいのにな・・・」

それでは、マサラムービー「女神は二度微笑む」を紹介します。

女神は二度微笑む

原題 : KAHAANI
製作 : 2012年
製作国 : インド





監督:スジョイ・ゴーシュ/脚本:スジョイ・ゴーシュ/音楽:ヴィシャール=シェーカル

出演:ヴィディヤ・バラン(ヴィディヤ)/パランブラタ・チャテルジー(ラナ)/
ナワーズッディーン・シッディーキー(カーン)


(あらすじ)
"グィ~ン、カチ、クィィ~"扉の電子音が響く中、
突然マウスの顔がアップ。
続いて目だけギョロつかせた防毒マスクの男の顔がアップ。
薄っすらとグリーンライトの明かりに照らされ、
横一列に並ぶ四角いガラス飼育容器が数個にマウスたちが動き回っている。
防毒マスクの男がピンセットで慎重に、真珠粒ほどの大きさのカラス球を挟んで
目の高さまで運び、それをじっと凝視していたかと思うと、サッ! と飼育容器に落した。
ガラス球は弾け、こぼれ出た液体が気化し、瞬く内に飼育容器はガスで充満した。
数秒で全てのマウスが死んだ。
防毒マスクの男の目がアップ。

場面が変わり、カーリーガート駅 8:30 AM 電車が通過。
乗客で混雑する公園通り駅での構内放送、
"不審物には触らないで 発見したらすぐ係員に連絡して下さい"
何度も繰り返されている。

その日に事件が起きた。
乗客が到着した電車に乗り込む間際、子供を抱えた女が、
座席にバッグを置いたまま立ち去った。
バックに気付いた別の女性がバッグを持ち上げた瞬間に、
中からミルクのビンが床に落ちて割れ、またたく間に車内が毒ガスで充満した。
数百の死体を乗せたまま列車は走り去る。

キーボードで打ち込まれるタイトル"KAHAANI"の文字。
-地下鉄毒ガス事件 100人以上が死亡-状況をニュースが伝えている。

2年後・・・
無差別殺戮地下鉄毒ガス事件から二年、
そのインド・コルカタ国際空港に一人の妊婦が降り立った。
彼女の名はヴィディヤ。


遠くイギリスのロンドンからやって来た目的は、
1ヶ月前にコルカタへ出張に出たまま消息を立った夫アルナブを探すため、
手掛かりは、たった一枚の写真しかない。

まずは警察署をたずねた。
そこで、勤務してまだ日も浅い警察官ラナが良き協力者となり、
一緒に夫を探してくれた。
だが、勤め先の勤務履歴が無い、宿泊先の宿帳にも記載が無い、
途方にくれるヴィディヤであった。

そんなある日、前に一度たずねた夫の勤め先の人事部の女性から携帯が入った。
気になっていたので、過去の勤務データーを調べているうちに、
預かった写真ヴィディヤの夫アルナブと瓜二つの
ミラン・ダムジという男を思い出したと言うのだ・・・。


本作は、インド映画としては珍しく、歌も踊りもありません。
少々残念な気もしますが、内容を考えれば歌も踊りも無用です。
注目すべきはストーリーの構成です
物語を一言で言えば、一人の女性が、愛する夫とお腹の子供の命を奪った、
無差別殺戮犯へのリベンジなのですが、各シーンの計算された設定と、
随所に張り巡らされた綿密な伏線で、
こんなに見事なサスペンス作品になるということです。

歌も踊りもありませんがヴィディヤ・バランの堅実で確実な演技が素晴らしいです。

スジョイ・ゴーシュ監督は、東野圭吾原作、福山雅治主演の傑作ミステリー
『容疑者Xの献身』をボリウッド・リメイクしたことで知られています。


私のとても好きなサスペンス作品の一つです。
もし、興味のある方は是非観てくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もボリウッド作品「あなたがいてこそ」を紹介します。