2017年12月29日金曜日

観る年代で映画が変わる Part24 (ラ・ワン 原題 : RA.ONE)

2017年もあと数日で終わりです。


「あんた、大晦日はどうする・・・?

「なんか、食べ行こか

「そやな、家で作るのも面倒やしな、でも、どこも混んどるのとちゃうやろか」

「そりゃ大晦日は、どこも混んどるやろ、そやかて毎年のすき焼きも飽きたしな~
「たまには、街に出てにぎやかな大晦日もええで

決まりやな、その日になって気変わったらあかんで
「そしたら、あんた、大晦日は食事なしやで

「大寒波で、外、吹雪いていても行くわ

と言いつつ、何気なくテレビに目をやると、
平凡な我が家のテレビからも、相変わらず大相撲関連番組が流れている。

日馬富士の引退後も、収束するどころか、なお混迷を深める相撲界。
沈黙を守り続ける貴乃花親方、そして飛び交う様々な情報や憶測。

それにまつわる事柄を順を追って整理してみました。

2011年の初場所後、八百長が発覚
 3月の春場所は戦後初となる開催中止。
 八百長を行なったとされる力士20人あまりが引退などの処分を受けた。
 相撲協会は大相撲新生委員会を設置するなど再発防止に着手。

2017年1月場所
 東前頭10枚目の貴ノ岩が、14日目に白鵬と初顔合わせで対戦し、寄り切りで下して
 11勝目と同時に初金星を挙げた。これが千秋楽を待たずに稀勢の里の初優勝を
 アシストする結果となった。

2017年3月春場所、
 エディオンアリーナ大阪で千秋楽を行い、新横綱稀勢の里大関照ノ富士を本割と
 優勝決定戦で続けて下し、逆転で2場所連続2度目の優勝を果たした。
 新横綱の優勝は1995年初場所の貴乃花以来22年ぶりで戦後5人目。
 
 稀勢の里は13日目に横綱日馬富士に敗れた際に左肩付近を痛めていた
 だが、照ノ富士も左ひざを痛めていた
 
 前日、照ノ富士は関脇・琴奨菊相手に立ち会いで右に動き、はたき込みで
 勝ち星を手にしていたが、大関の「変化」に会場からはすさまじい
 ブーイングが起きていた。
 しかし千秋楽、照ノ富士を突き落としで土俵にはわせた稀勢の里の「変化」の勝利に
 館内は割れんばかりの賞賛の嵐となった

 「変化で勝つのは全然ありで、非難されるべきことでは全くないと思うんですが、
 照ノ富士が変化すると『モンゴルに帰れ!』で、稀勢の里が変化で決定戦に
 持ち込むと『日本人横綱素晴らしい!』ですか。との不満の声があがる

9月場所中の深夜、
 貴ノ岩は東京・錦糸町のカラオケバーを訪れた。
 この時、休場中のモンゴル出身力士が飲酒する場面に遭遇。
 貴ノ岩が厳しく叱責したところ、同行していた白鵬のモンゴル人の友人と
 口論になった。
 この友人は後日、白鵬に当時のやり取りを告げるとともに、
 貴ノ岩が「俺は1月場所で横綱にも勝っている」「これからは俺たちの時代だ」
 と話していたことを伝えた。
  
10月17日、
 名湯で知られる湯河原の高級ホテルで、八角理事長をはじめとする協会理事たちと
 記者クラブメディアの相撲記者ら総勢40名が集う親睦会が開かれていた。
 「こういった馴れ合い体質を築き、相撲協会は記者クラブの『口封じ』
 してきたんです」と協会関係者は指摘する。
  
10月25日夜、
 地元の高校関係者と白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱、同校OBの照ノ富士、貴ノ岩、
 石浦の関取衆3人を含む計13人が参加する食事会が開かれた。
 
 食事会の終盤、白鵬貴ノ岩に9月場所中の件に触れ、
 「だいぶん偉そうだったそうじゃないか。これからは俺たちの時代だと
 言ったそうじゃないか」モンゴル語でとがめた。
 日馬富士が間に入ってかばったため、その場は収まった。
 モンゴル語だったこともあり、同席した日本人には内容の理解ができなかった

25日午後11時過ぎから翌26日午前2時ごろまで2次会が開かれた。
 貴ノ岩、日馬富士、白鵬、鶴竜、照ノ富士、石浦の順に、壁沿いに
 L字に設置されたソファに座った。
 ビールはグラスに注がれた状態で提供され、ビール瓶は席に置かれていなかった
 
 乾杯後しばらくして、白鵬貴ノ岩と照ノ富士に、
 「みんなが見ているから、自分の行動に気を付けなくてはいけない」
 「おまえたちがこうして相撲を取って生活していけるのも、
  ここにいる先生方のおかげだ。その恩を忘れずに、社会人としてきちんとした
  生活をしていきなさい」などと説教
 
 鶴竜には「おまえがそもそも厳しく言ってやらないと駄目だろう」
 と指導不足を叱責した。

 白鵬の説教が一段落したと考えた貴ノ岩がスマートフォンの操作を開始
 日馬富士がこれを見とがめ、
 「おまえ、大横綱が話をしているときに何で携帯をいじっているんだ。
  おかしいじゃないか」モンゴル語で問いただした。
 貴ノ岩「いじってないです」といったん否定したが、すぐに
 「友達からLINEが来たんで」とスマホを操作したことを認めた。
 日馬富士「それが大事なのか。誰なんだ」「それは男か女か」と追及。
 貴ノ岩「彼女です」と答えた。
 
 立腹した日馬富士は素手で貴ノ岩の顔を1回たたいた。貴ノ岩は謝罪したが、
 日馬富士には貴ノ岩がにらみ付けるような表情をしたように見えたため、
 「なぜ、こんな態度を取るんだ。おまえのことをさっきは守ってやったじゃないか。
 おまえは横綱をなめているのか」「こら、おまえは何様なんだ」と、
 ここから日馬富士の暴行が始まったとされている。
 
 さらに日馬富士はカラオケのリモコンで貴ノ岩の頭部を数回殴打。
 これを見た白鵬は日馬富士を制止して室外にいったん出したが、その後、
 戻ってきた日馬富士が再び貴ノ岩に「ちゃんと謝れ」と述べ、
 素手で1~2回顔をたたいた。
 貴ノ岩が「申し訳ありません。これからは気を付けます」と謝罪したため、
 暴行をやめた。
 日馬富士鶴竜に対しても「おまえがちゃんと指導しないからだ」と叱責。
 照ノ富士に対しては「稽古に気合が入っていない」「何か聞きたいことがあれば
 言いなさい」と説教。
 照ノ富士が正座して「自分達は思っていることは言えないんで。壁があるので」
 と答えると、「壁はおまえたちがつくっているんだよ」と、素手で1~2回、
 頬を軽くたたいた。照ノ富士は「ごっつぁんです」と応じた。
 
 貴ノ岩は、LINEの返事をしたことは無礼なこととは考えておらず、
 日馬富士の暴行が理解できなかった。周囲の者が止めに入らなかったことも
 疑問に感じていた。
 ラウンジからの帰り際、貴ノ岩から「何で殴られたのか」と尋ねられた石浦が
 「ビール瓶とデンモク(リモコン)と思う」と返答した。
 だが、石浦自身は直接目撃していなかった。一部報道にあったビール瓶による殴打や
 馬乗り、アイスピックを持ち出したといった事実も認められなかった。
 
 貴ノ岩は日馬富士に「昨日、すいませんでした」と謝罪し、握手を交わした
 頭の負傷について、師匠の貴乃花親方には「酒を飲んで階段から落ちた」
 説明したと話した。

 日馬富士は握手によって解決したと思い、師匠の伊勢ケ浜親方には報告しなかった
 白鵬と鶴竜もそれぞれの親方には報告していなかった
 
 だが貴ノ岩が握手をしたのは、地元の高校関係者の助言によるもので、
 自身が納得していたわけではなかった。

貴ノ岩は、秋巡業の残りにすべて出場し、
11月2日には福岡県田川市の市役所を表敬訪問しており、抱負を聞かれた貴ノ岩は
「2桁(勝利)目指して頑張ります」と答えていた。

11月5日貴ノ岩は、福岡県済生会福岡総合病院に5日間入院

11月13日に出された診断書は「1脳しんとう、2前頭部裂傷、3右外耳道炎、
4右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」で全治2週間と発表された。
ただし、この2週間がどの時点からなのかにより、怪我の度合いがだいぶ違ってくる。

11月14日にこの怪我日馬富士の暴行によるものであると発覚した。

春日野広報部長は暴行問題が発覚した日馬富士の休場は左腕の負傷によるもので、
問題を受けての謹慎ではないと強調した。

貴ノ岩の頭部の傷口を医療用ホチキスで止めている写真が11月下旬に公開された。

貴乃花親方 聞き取り後に責任や軽重を評価
貴ノ岩の師匠の貴乃花親方については、まず、巡業部長として貴ノ岩のけがを把握した
直後か被害届の提出後には速やかに協会に報告すべきだったが一切報告をしなかった。
また、19日まで貴ノ岩に対する聞き取りの要請も拒否したと指摘しました。
そのうえで、これらの対応が及ぼした影響は小さくなかったが、
貴乃花親方については20日まで聞き取りができていないので、
聞き取りのあとにその責任の有無や軽重について評価すべきであるとしました。
12/20 NHKニュース

12月28日に貴乃花親方の処分が決まるとの報道がなされていますが、
単純に考えて、何で被害者が処分を受けるのか意味がわからない
そこまで厳しい処分をするなら、2次会で事件に関係した力士、その親方の処分
それでいいのだろうかと思ってしまう

相撲ファンの私とすれば、この事件は悪い夢だったと早く忘れて
モンゴル力士と日本力士、そして、相撲協会が仲良く手を携えて、私たちに
素晴らしい相撲をみせて欲しいと願うばかりです。

それでは、インド映画「ラ・ワン」を紹介します。

ラ・ワン

原題 : RA.ONE
製作 : 2011年
製作国 :インド(ヒンディー語)


監督:アヌバウ・シンハー/製作:ゴウリー・カーン/
脚本:アヌバウ・シンハー/カニカー・ディッローン/ムスタク・シェイク/
デヴィッド・ベヌロ/音楽:ヴィシャール=シェーカル

出演:シャー・ルク・カーン(シェカル)/カリーナ・カプール(ソニア)/
アルジュン・ラムパール(ラ・ワン)/アルマーン・ヴェルマー(プラティク)/
プリヤンカー・チョープラ/ラジニカーント(特別出演)

(あらすじ)

スパイ大作戦でお馴染みの曲とよく似た曲と共に、大都会のロングショット。
そこは英国、電子機器メーカー大手のバロン社のプレゼンテーション。

女性の声
"バロン社はゲームとデジタルの世界を3Dよりも更に進化させます"

場面がプレゼン会場。
大きな3面のスクリーンを背景に、プレゼンテーターの女性がスピーチ。
"世界のどこにいても写真やデーターを送受信できるのは なぜでしょう?"
“現代は衛星 携帯 ネットの時代 周囲に様々な光線や電波があります"
"この光線は空気のように世界に満ちています云々・・・・"

つまり、現実と仮想世界の壁を取り払う技術、デジタル世界の
データを物質化する画期的な技術の説明です。

突然場面は岩肌が剥き出しの、どこかの惑星と思われる荒涼とした砂漠を、
青白いヘッドライトを照らし、黒装束の男が、背に刀、マントをひるがえし、
バイクで突っ走る。



"あの夜は美しかった"
"あの女も・・・"
“夜は朝を待っていたが・・・"

(両手首を縛られ、吊るされている女のショット "ルシファー来て!”と叫ぶ)

"彼女は俺を・・・ 俺はルシファー"
"命を守るため 人を殺すこともある"・・・

この先は観てのお楽しみと言いたいのですが、ここまでがプロローグで、
これはプラティクが授業中にみていた夢なんです。

先生が"プラティク""プラティク"と叫んで起こすところからストーリーが始まります。

ロンドンに住むプラティクはゲーム好きな男の子、
お人好しの父親シェカルはゲームクリエーター、
そしてソニアはプラティクに優しい美人のお母さん。
この幸せそうな家族に巻き起こるとんでもない物語です。

反抗期のプラティークは父親シェカルに
「もうヒーローもののゲームはつまらなよ。
 これからは絶対に負けない悪役が主役のゲームを作って」とせがむ。

シェカルは、息子のために新ゲーム、悪役のラ・ワンを開発した。
その相手としてヒーロー役ジー・ワンも開発しました。顔はシェカルに瓜二つ。

デモプレで、プラティクはルシファーと名乗りラ・ワンと対戦します。
ファーストステップのプレイでラ・ワンを倒すのですが、その夜に異変が。

ゲーム内のキャラクターであるはずのラ・ワンが実像となり、
自分の意思で動き始めたのです。
目的はルシファーを探し出して倒すこと。

ラ・ワンは父親シェカルを殺し、ついにルシファーを見つけ出します。
ソニアとともに逃げるプラティク、そしてついに追いつめられたその時。
突如現れたヒーロー、ジー・ワン・・・。


「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」「命ある限り」「チェンナイ・エクスプレス ~愛と勇気のヒーロー参上~」のシャー・ルク・カーンが主演。

更に「ロボット」のラジニカーントも特別出演。
期待し過ぎた感もあるが、「ロボット」ほど"ぶっちぎり"では無いにせよ
見応えのある作品だと思います。
仮想世界と現実の合体で最強の悪役を作り出すという設定も、
近未来的感じで面白い。

最後に、インド映画の決めては歌と踊りだが、今回はやや不満足です。

ハリウッド映画と一味違うインド映画、ぜひ一度観てくださいね。
おもしろいですよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回も引き続き、インド映画で「チェイス! DHOOM:3」を紹介します。

2017年12月14日木曜日

観る年代で映画が変わる Part 23(タイガー~伝説のスパイ~原題 : EK THA TIGER)

12月6日
NHKが受信契約の申し込みに応じない男性に対して起こした裁判で、最高裁判所大法廷は、「受信料は憲法の保障する表現の自由のもとで国民の知る権利を充たすための制度で合理的だ」として、テレビなどを設置した人に受信契約を義務づける放送法の規定は憲法に違反しないという初めての判断を示しました。(NHKより)


「あんた、NHK受信料を払わんと、テレビを買った日にさかのぼって払わされるらしいで」「怖いな !

「うちはどないしてんの?」

「うちはケーブルテレビやから、ケーブルテレビ契約と同時に団体契約をさせられてるわ

しゃ~ないな
「NHKから裁判に訴えられた人の気持ちは、解らんでもないけど、法律やからな・・・」
「どんなにいやな法律でも、守らんといかんのとちゃうかな・・・?」

「うちの知り合いでは、払っているのは、うちくらいなもんや、肩身狭い

「難しい法律のことはよう分からんけど、NHKの人、ええ給料もらってるらしいな」
「手当も含めて、平均年収1,700万円くらいになるらしいで、普通の人の4~5倍や」
「あの人たち、わしら貧乏人の気持ちは分からんやろな」
「それに、計画中の新社屋の建て替え予算に3,400億円もかけてるらしいで」
オリンピックの新国立競技場に勝ってるわ!」
「儲け過ぎ・・・」
「ちゃうわ」
取り過ぎちゃうんか

「あんた、そないぼやいても 阿保らしいだけやで」
「でも、受信料は確かに高いわ、もう少し安ならんのかな、年一括払いは痛いで」

1988年の受信料は月額990円やった」
「それが1990年2月1,320円に値上げしよった」
「かなり大幅にや」「今は、1,310円、衛星放送は追加970円だけどな」
1990年といえば、バブル崩壊の直前と違うかな
「1980年後半から、それを煽ってきたのはマスコミちゃうんかい」
「この頃から、日本経済が急落していく、みんな大変な時や
NHKだけ、なんでやねん。特別扱いとちゃう・・・?」

「もう、ええかげんにしとき、そんだけぼやけば気い済んだやろ」

平成28年度末時点の有料契約件数はおよそ4,030万件
平成28年度の受信料収入は6,769億円
NHK事業収入に占める割合96%
受信料の支払い率79%となっています。

NHKは、健全な日本人の受信料で成り立っているといっても過言ではありません。
どうか、その人たちに応えうる、良い番組作りに励んで欲しいと思います。

政党支持者別、受信料支払い分布図などを作成してみてはいかがでしょうか?
もしも受信料の支払い率が100%に近づけば、受信料を20%下げれるかも。

それでは、インド映画「タイガー 伝説のスパイ」を紹介します。

タイガー~伝説のスパイ~

原題 : EK THA TIGER
製作 : 2012年
製作国 : インド(ヒンディー語)






監督:カビール・カーン/脚本:カビール・カーン

出演:サルマーン・カーン(タイガー)/カトリーナ・カイフ(ゾヤ)/ランヴィール・ショウリー/ロシャン・セス

(あらすじ)

インドとパキスタンは長年の敵対国。
今は平和そうに見えるが、互いの諜報員は各地で暗躍し戦っていました。
インドの諜報局RAWの誇るスパイ"タイガー"は今日もイラクで、
裏切り者を始末したばかり。

次なる任務は、

ダブリンの大学で教鞭を取るインド人教授が、パキスタンに機密を
売っているのではないかという疑義の調査。

作家に成りすまし教授に近づくタイガー。
ところがアルバイトで教授の身辺の世話をする女子大生ゾヤと知り合い、
生まれて初めて恋に落ちてしまったタイガー・・・。

パキスタンの諜報組織ISIと死闘を繰り広げながら、徐々に確信に近づくが、
実はゾヤこそがパキスタンの女スパイだったのです。

互いに敵同士であることが分かった今、二人は永遠に結ばれることが出来ないのか・・・。

ところがタイガーが出席した国際会議で、偶然ゾヤと再会します。

互いの愛のために国を捨てる決意をする二人。

周到な準備と計画を練り、二人は逃避行・・・。
それを追うかつての古巣、インドのRAWとパキスタンのISI。
はたして二人は逃げ延びることができるのか・・・。


まるでロールプレーイングゲームの様なストーリー展開
序盤激しいアクション
そして前半ロマンス
後半アクションとサスペンスの展開と、
アッと言う間に132分が過ぎてしまいました。

ただ、インド映画ならではのダンスシーンが前半に1回、最後に1回と少ないです。

インド映画の楽しみは、あの元気が沸いてくるダンスシーンを観たいからなのにな~。
少し残念だけど、中身はタップリ、インド版007て感じです。

ハリウッド映画と一味違うインド映画、ぜひ一度観てくださいね。
おもしろいですよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回も引き続き、インド映画で「ラ・ワン」を紹介します。

2017年12月5日火曜日

観る年代で映画が変わる Part 22(ムトゥ 踊るマハラジャ 原題 : MUTHU)

2017年の流行語大賞「インスタ映え」
意味はPCやスマートフォン向け写真共有SNSのInstgramに、
投稿した写真やその被写体が、見映えする、おしゃれに見える、
という意味で用いられる表現用語だそうです。
Instagram」と「写真映え」とを組み合わせた造語だということです。

インスタントの蠅ではありません。(インスタ蠅)

インアクセントを置いて正しい発音をしましょう・・・?

5年前、社員数13人で売上高ゼロの「インスタグラム」を、
Facebookが810億円で買収して、今や全世界での利用者数が約1.3億人以上、
日本の利用者数も、約2,000万人で、今も伸び続けているそうです。
利用者数トップのインドネシアでは、ネットユーザーの63%もが
インスタグラムユーザーだとか。

第二位が、「忖度」です。
その意味を調べますと、
「他人の心をおしはかること。また、おしはかって相手に配慮すること。」
となっています。
しかし、この日本人の心を表す美しい言葉「忖度」が、残念なことに、
報道各社、野党政治家の間では、正しい意味に使われていませんでした。


「モリトモで、民進や朝日がゆっとった『安倍晋三記念小学校』はで、
ほんまの名前は、『開成小学校』やで」「知っとった?」

うそ! ほんま? ぜんぜん知らんかったわ、初めて聞いた
「うちは、小学校の名前や、テレビで安倍さんが加計さんらとゴルフしいてる映像
を見て、安倍さんには、ほんまにがっかりした、と思ったわ」
「何でそれ、わかったん?」

「森友学園の小学校設置趣意書黒塗り部分の学校名を、自民党の
和田政宗参院議員が財務省から入手した資料で確認したんやて」

ひどいな! もう朝日は信用できんわ、ワイドショーもや!」
「民進もひどすぎるわ!!」
安倍さん、可愛そうやな~
「だけど、野党の人は、ごみ撤去費用で、まだ疑惑があるゆうとるで」

「あらへん、モリトモは、土地の評価額9億5600万円、ごみ撤去費用を約8億2000万円
差し引いた1億3400万円が支払う金額や」
「そうそう、「瑕疵担保免除特約」付きでや。」
「だから、この件には、安倍さんは一切関係無いで」
「現に、籠池夫妻は詐欺容疑で逮捕されてるしな」

豊中市の給食センターは、モリトモより少し狭い土地で評価額7.7億円
そやけど・・・深さ2.0mで、ごみが出てきたさかい、業者に見積もらせたら、
その撤去費用が14.3億円やて今、豊中市が新関空会社に請求してるんやて。
売主の新関空会社は赤字や」

「問題が有るとすれば、森友学園と道路を挟んだ隣地。面積が約9,500㎡の
野田中央公園用地やないかと思う。
平成21年度に国から大阪の豊中市に売却された土地やけど、
土地の評価額が14億円、実際に豊中市が払ったお金がなんと2,000万円やて。
※参考までに、辻元議員は平成21年9月から平成22年5月まで国土交通副大臣」

「さらに、腑に落ちんのは、3月ごろ『非常に奇怪な話だ。野党に言われるまでもなく、
政府・与党側としてきちんと解明しなければならない』とか、『特別の力学が働いたと
思わざるを得ない』、『本当に安倍晋三首相側・役所側に不正がないとすれば、
積極的に自ら情報公開すべきだ』と、ゆうとった自民党の議員がいたことや。
大物議員だったら正式の学校名を確認することぐらい、朝飯前やろ。」

「政治は、ようわからんわ」
いつまで、国会でこの問題をやっとんやろ

「我が家の流行語大賞は『フェイクニュース』に決まりやな」
NHKの受信料は、もう払いたくない!!

「あんた、うちにフェイクニュースで、ごまかさんどいてや」

それでは、インド映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」を紹介します。




ムトゥ 踊るマハラジャ

原題 : MUTHU
製作 : 1995年
製作国 :インド(タミル語)



監督:K・S・ラヴィクマール/脚本:K・S・ラヴィクマール/
音楽:A・R・ラフマーン


(あらすじ)

ムトゥは、タミルナードゥ州の大地主のラージャに仕え、実直で明るい性格、
しかも腕っ節が強く実直な人柄は、主人と、主人の母親からの信頼が厚く、
使用人たちの間でも人気者でした。

主人ラージャは、今だ独身で結婚する気は更々無ありませんでしたが、
彼の誕生日に出かけた芝居で看板女優のランガナーヤキに一目惚れしてしまいます。
ラジャーは、ランガをどうしても妻にしたいと思い詰めてしまいました。

ところが、ランガはムトゥに恋をしてしまうのです...。

さらに、強欲な叔父アンバラの悪辣な陰謀が絡み、ムトゥは屋敷から
追放されてしまうのでした。

そこに突如として現われた聖人、その正体は、そしてムトゥの出生にまつわる
驚くべき事実が明らかに・・・。

日本では1998年6月13日から東京・渋谷区のシネマライズで単館上映され、
インド映画としてはかつてない入場者数を記録し、ロングラン上映となりました。

序盤はインド独特のコメディタッチシーンで少々だる~い感じでしたが、
中盤、聖人が現われたあたりから俄然面白い展開となっていきます。

元気の出るマサラムービーの十八番、歌と踊りのシーンもたっぷり楽しめます。

"ロボット"、"ボス"、"恋する輪廻"とマサラムービーの虜になってしまった
私としては、どうしても観たい1本でした。大満足です。お薦めの作品です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画で「タイガー 伝説のスパイ」を紹介します。

2017年11月29日水曜日

観る年代で映画が変わる Part 21(マダム・イン・ニューヨーク 原題 : ENGLISH VINGLISH)

月日のたつのは早いもので、今週末からもう12月です。


「あんた、うちのお姉ちゃん、柚子持ってきてくれたわ」
「どないしよ ?」  
     
     見ると小ぶりだが、段ボール箱いっぱいだ。
     黄色い実から良い香りを漂わせている。


ジャムにしたらええんとちゃう」

「そやな~、あんたネットで調べてくれへん?

    以前、国産レモンでジャムを作ったことがあった。
    その時も、ネットのレシピを見ながら作ったはずなのに、
    煮詰め過ぎで、レモンの皮が固くなってしまい大失敗だった。
    なにしろ、噛んだら、するめより硬くて歯が立たないのだからどうしようもない。
    今度こそ、失敗は許されない
    しばし、インターネットの検索に没頭する私・・・。

「これ、どや」
    プリンターで打ち出したA4用紙3枚のレシピ、しかも写真の解説付き

「大丈夫やろか、あんた口だけやからな」

「柑橘系のジャムは難しい、スーパーでもあんまり置いて無いやろ」
「自分で作るしか無いんとちゃう、トーストにぬっても、柚子茶にしても最高やで

そんな訳で、妻と一緒に柚子ジャムに挑戦することになりました。

以下は、その手順です。

柚子をきれいに水洗いをして、水をきっておく。
ボールの上にザルをのせ、半分に切った柚子を両手で絞る。(ボールに果汁、ザルに種)
絞り終えた柚子から、スプーンを使い中の白いワタを取り、ワタと皮とに分ける。
白いワタはざく切りにする。
皮を千切りにし、ひたひた水の鍋に入れて沸騰したら取り出す。これを3回繰り返す。
水を良く切った皮と、皮と同量の砂糖と、白いわたを鍋で混ぜる。
鍋を中火にかけ、アクが出てきたらすくい、沸騰したら、弱火にして10分で完成。

御覧のように、一見、いたって簡単に思えます。
ところが、実際は、思っていたよりも大変でした。

「柚子は、無駄がないと言うけど、ほんまやな

「あんた、ヘタだけは、ちゃんと取りや
手抜いたらあかんで!
「あんた、遅いな日暮れてまうわ
・・・・。
    そうこうしながら、ついに完成しました。

めちゃ旨いわ、あんたも食べてみ」



   皮も柔らかいし、味、香りともに、文句なしの出来栄えでした。
    明日から、朝のトーストが楽しみです。

それでは、インド映画「マダム・イン・ニューヨーク」を紹介します。

マダム・イン・ニューヨーク

原題 : ENGLISH VINGLISH
製作 : 2012年
製作国 : インド(ヒンディー語)






監督:ガウリ・シンデー/脚本:ガウリ・シンデー/撮影:ラクスマン・ウテカル/
音楽:アミット・トリヴェディ

出演:シュリデヴィ(シャシ)/アディル・フセイン(サティシュ)/メーディ・ネブー(ローラン)/
プリヤ・アーナンド(ラーダ)/アミターブ・バッチャン

(あらすじ)
主人公はインドではかなり裕福な中流家庭の主婦シャシ。
インド伝統のお菓子、ラドゥを作ることが唯一の楽しみで、
彼女のラドゥは近所でも評判、注文を受けて販売するほどの腕前です。

小生意気な娘と、甘ったれ息子の母親で、子育てと、家事に励む日々を送っていました。
夫にも献身的な彼女でしたが、
英語が話せないというコンプレックスを抱えていました。

娘からは、「ママは英語もできないくせに」と馬鹿にされ、
夫はパーティの席で妻のラドゥが褒められると、
「妻は菓子作りしかとりえがないので」と無神経な言葉。
家族のために頑張っているのに、主婦とは、家事をするのが当たり前、
料理がうまいのも当たり前という扱いに、徐々に自信を喪失し、
寂しさを募らせるシャシ。

そんなとき、ニューヨークの郊外に住む姉から、姪が結婚するので、
その披露宴の手伝いをしてほしいという依頼が。

たった一人では不安でしたが、やむなくシャシは家族より一足先に、
ニューヨークへと旅立ちます。

空港で、機内で、言葉が話せないために起きる様々なエピソード。
コンビニでは満足に欲しいものも注文できず、悲嘆にくれたその時、

目の前に停車したバスに書かれてある広告「4週間で英語が話せる」を目にします。

シャシは、英語学校に通うことを決心するのですが・・・。

そこには、不法入国したメキシコ人の主婦、タクシードライバーのパキスタン人、
無口な黒人、中国か韓国系の女性、そして、シャシをじっと見つめる
フランスの料理人、ローランが・・・。


映画を撮ったのは、39才の若き女性監督ガウリ・シンデー。
本作は、ひとりの主婦シャシのエピソードを通して、
実は今のインド社会全体の問題を描いています
いまでこそ公用語のヒンディー語と同等に英語が話されている教育先進国ですが、
女性が学校に通えるようになったのは90年代末です。
それまでは、いずれ嫁に出す娘を学校に通わせても意味がない、
女の子は弟妹の面倒をみたり家事の手伝いをするのが当然とされていました。
女性で学校に行けたのは、ごくいちぶの富裕層だけだったのです。

本作が長編デビューとなるガウリ・シンデー監督は、
英語が話せなかった自分の母親の姿をシャシに重ねています。
本作のメッセージはラストのシャシの英語スピーチに込められているのです。
とつとつとして

"夫婦と云うものはお互いが対等な立場で協力してやってほしい。
自分が相手から尊重されてないと感じるときは、相手を憎むのではなく、
自分に自信をつけて自分を好きになることです。
自分で自分を幸せにすることが大切だということを私は知りました・・・。"

シャシは、彼女にずっと好意、いや!それ以上の気持ちを抱いて見守ってくれた
フランス人コック、ローランに、
「あなたがいたから私は自信が持てたのよ。ありがとう」 感動!! 

主演シュリデヴィはインドの国民的女優で本作が15年ぶりの復帰作です。

英会話を勉強されている方には、ぜひお薦めの作品です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画「ムトウ踊るマハラジャ」を紹介します。