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2018年10月31日水曜日

観る年代で映画が変わる Part35 (ダンガル きっと、つよくなる 原題:DANGAL)

気温が20度前後と、過ごしやすい日となりました。
近所の神社の秋祭りも終わり、何となく秋の深まりを感じる今日この頃です。


「テレビで、消費税が来年から10%になる言うてたで」
「ホンマに上げるんやろか?」
「みんなメチャ給料安い、ぼやいとるのにな、何考えとるんやろ
「あんた、どう思う?」

「そやな、1997年から給与所得者の実質賃金が15%も落ちとるしな」
「よう、わからんけど、無茶ちやうかな」
「そやけど、もう2回もパスしとるしな、『又パスします』とは言えんのとちゃう」
「安倍さんの気持ち、わからんでもないな~」
「でも、またかもわからんで・・・?」

「よく、『二度あることは三度ある』言うやないの」

「消費税率の引き上げは2013年に、とっくに閣議決定されたことやろ」
「そして、2014年の4月に5%から8%に上げて、景気がメチャクチャ落ちたやんか」
「テレビで経済の専門家がV字復活する言うとったけど、あれは大はずれや
「ホンマ、笑ろてまうわ
「安倍さんは、わざわざ『引き上げます』と言う必要、ないんとちゃうかな」
「延期する時だけ、『今回もパスします』でいいんとちゃう?」

「だったら、なんで新聞やテレビでわざわざ報道発表したんやろ」
軽減税率のことまで、詳しく説明しとったで」
「コンビニで食品を買ったら、中で食べると10%持ち帰りは8%やて、あほくさ

「たぶん、又延期されたら困る人たちがいるんやろな」

「どんな人やろ、アホちゃう、とにかく中止にして欲しいわ
「もし、10%になったら、我が家の対策として、あんたの小遣いは2割カットやで」

「なんでやねん?」

「計算してみいや、1万円使うと消費税が800円やろ、10%になったら8,000円
 しか使わんかったらええねん、消費税はそのまま800円や」

「そんな、無茶やで
「来年でオリンピックの特需が終わるし、給与所得者は働き方改革で残業代も減っとる
「おまけに、トランプさんが中国に経済戦争も仕掛けているしな」
「消費税率を上げるには、最悪の年だと思うけどな」
「更に、来年は『元号』が変わると年やろ」
「元号が新しくなった早々に、景気が最悪になったらどうすんの」

「それは、あんたの考えやろ、日本政府は上げるときにはキッチリと上げるんや」
「庶民のことは関係あらへんね」
「そうなったら、私は、けちるで!!
アマゾンや楽天ヤオフクやメルカリ最大限に利用したるわ」

「みんながそうしたら、景気がおかしくなるんとちゃうかな・・・?」

「あんたは、余計な心配せんでいいの

「・・・・・」


それでは、インド映画「ダンガル きっと、つよくなる」を紹介します。

ダンガル きっと、つよくなる

原題 : DANGAL
製作年 : 2016年
製作国 : インド(ヒンディー語、ハリヤーンウィー語)





監督: ニテーシュ・ティワーリ/ 脚本: ニテーシュ・ティワーリ/ ピユーシュ・グプタ/
 シュレヤス・ジャイン/ ニキル・メロトゥラ/ 撮影: セトゥー/ 音楽: プリータム

出演:アーミル・カーン (マハヴィル)/
ファーティマー・サナー・シャイク (ギータ(青年期))/
サニャー・マルホートラ (バビータ(青年期))/ザイラー・ワシーム (ギータ(幼少期))/
スハーニー・バトナーガル (バビータ(幼少期))/サークシー・タンワル (ダーヤ)/
アパルシャクティ・クラーナー (オムカル)

あらすじ

昔、マハヴィルはアマチュアレスリングのインド代表選手でした。
彼の夢は、国際大会で金メダルを取ること。
しかし、彼の村は貧しく、夢を果たせないまま引退を余儀なくされたのです。
マハヴィルはその夢を、息子たちに託そうと考えました。
ところが、皮肉にも生まれてくる子供は、娘ばかりでした。

十数年後のある日。
長女のギータと次女のバビータが同じ年頃の男の子と喧嘩をして、
打ち負かしたのです。
2人のレスリングの才能に気づいたマハヴィルは、反対する妻ダーヤを説得し、
2人にレスリングの特訓を開始したのです。
ところが、ギータとバビータは、男の子と同じ服装、髪型にさせられ、自分の夢を、
2人に強引に押し付ける父親に反発します。そして特訓をサボるようになるのでした。
ところがある日、友人の結婚式に出席した2人は花嫁から、2人が羨ましいと聞か
されます。
多くのインドの女性は、子供の時は子守や家事の手伝いをさせられ、結婚も自分の意志では決められない。それに比べて、ギータとバビータのお父さんは、2人の才能を伸ばし、将来も自立できるよう一生懸命になっている。
その友人の言葉を聞いた2人は、ハッと目が覚め、態度を改め、特訓に励むのでした。

マハヴィルは、成長したギータを地域のレスリング大会に出場させようとします。
ところが女性の出場に主催者側は驚き、最初はそれを拒みましたが、マハヴィルの
説得で、観客が増えるのではないかと考えた主催者側が、ギータの出場を認めました。
しかし、健闘むなしく敗れてしまいました。

その後、闘争心を刺激されたギータは、数々の大会で連勝を重ねていきます。
ギータに続いて妹のバビータも連勝を重ねます。

ついに、ギータは女子レスリング州大会で優勝します。
州代表となったギータは、国立スポーツ・アカデミーのインド代表団に入り、
国際大会を目指すようになるのです。
ところが、選手仲間や新しいコーチに囲まれて、次第に父親の厳格な特訓方法を
「古臭い方法」と、嫌悪するようになってしまいました。
その結果、ギータは国際大会で勝てないようになってしまいます。
それとは逆に、マハヴィルの特訓方法を遵守するバビータは州大会で優勝して
インド代表団入りを果たしたのです。

スランプ陥ったギータは、妹バビータの助言で父マハヴィルに助けを求めるのですが・・・。

この物語は実話です
原題の「Dangal」は、「レスリング」「ファイター」「尊厳」といった意味だそうです。

レスリングシーンは、本当の試合を観ているような迫力があり、手に汗を握ります。
父と娘の感動シーンも多く、妻は涙を流しながら観ていました。(鬼の眼に涙?)

アーミル・カーンは、今回のお父さん役も素晴らしく、何でもこなせる凄い役者さん
なんだなとつくづく感心しました。

とても熱くなる、本当に面白いスポーツアクション映画です。
是非、お薦めのインド映画です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、日本を代表する小津安二郎監督作品「東京物語」を紹介したいと思います。



2017年12月5日火曜日

観る年代で映画が変わる Part 22(ムトゥ 踊るマハラジャ 原題 : MUTHU)

2017年の流行語大賞「インスタ映え」
意味はPCやスマートフォン向け写真共有SNSのInstgramに、
投稿した写真やその被写体が、見映えする、おしゃれに見える、
という意味で用いられる表現用語だそうです。
Instagram」と「写真映え」とを組み合わせた造語だということです。

インスタントの蠅ではありません。(インスタ蠅)

インアクセントを置いて正しい発音をしましょう・・・?

5年前、社員数13人で売上高ゼロの「インスタグラム」を、
Facebookが810億円で買収して、今や全世界での利用者数が約1.3億人以上、
日本の利用者数も、約2,000万人で、今も伸び続けているそうです。
利用者数トップのインドネシアでは、ネットユーザーの63%もが
インスタグラムユーザーだとか。

第二位が、「忖度」です。
その意味を調べますと、
「他人の心をおしはかること。また、おしはかって相手に配慮すること。」
となっています。
しかし、この日本人の心を表す美しい言葉「忖度」が、残念なことに、
報道各社、野党政治家の間では、正しい意味に使われていませんでした。


「モリトモで、民進や朝日がゆっとった『安倍晋三記念小学校』はで、
ほんまの名前は、『開成小学校』やで」「知っとった?」

うそ! ほんま? ぜんぜん知らんかったわ、初めて聞いた
「うちは、小学校の名前や、テレビで安倍さんが加計さんらとゴルフしいてる映像
を見て、安倍さんには、ほんまにがっかりした、と思ったわ」
「何でそれ、わかったん?」

「森友学園の小学校設置趣意書黒塗り部分の学校名を、自民党の
和田政宗参院議員が財務省から入手した資料で確認したんやて」

ひどいな! もう朝日は信用できんわ、ワイドショーもや!」
「民進もひどすぎるわ!!」
安倍さん、可愛そうやな~
「だけど、野党の人は、ごみ撤去費用で、まだ疑惑があるゆうとるで」

「あらへん、モリトモは、土地の評価額9億5600万円、ごみ撤去費用を約8億2000万円
差し引いた1億3400万円が支払う金額や」
「そうそう、「瑕疵担保免除特約」付きでや。」
「だから、この件には、安倍さんは一切関係無いで」
「現に、籠池夫妻は詐欺容疑で逮捕されてるしな」

豊中市の給食センターは、モリトモより少し狭い土地で評価額7.7億円
そやけど・・・深さ2.0mで、ごみが出てきたさかい、業者に見積もらせたら、
その撤去費用が14.3億円やて今、豊中市が新関空会社に請求してるんやて。
売主の新関空会社は赤字や」

「問題が有るとすれば、森友学園と道路を挟んだ隣地。面積が約9,500㎡の
野田中央公園用地やないかと思う。
平成21年度に国から大阪の豊中市に売却された土地やけど、
土地の評価額が14億円、実際に豊中市が払ったお金がなんと2,000万円やて。
※参考までに、辻元議員は平成21年9月から平成22年5月まで国土交通副大臣」

「さらに、腑に落ちんのは、3月ごろ『非常に奇怪な話だ。野党に言われるまでもなく、
政府・与党側としてきちんと解明しなければならない』とか、『特別の力学が働いたと
思わざるを得ない』、『本当に安倍晋三首相側・役所側に不正がないとすれば、
積極的に自ら情報公開すべきだ』と、ゆうとった自民党の議員がいたことや。
大物議員だったら正式の学校名を確認することぐらい、朝飯前やろ。」

「政治は、ようわからんわ」
いつまで、国会でこの問題をやっとんやろ

「我が家の流行語大賞は『フェイクニュース』に決まりやな」
NHKの受信料は、もう払いたくない!!

「あんた、うちにフェイクニュースで、ごまかさんどいてや」

それでは、インド映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」を紹介します。




ムトゥ 踊るマハラジャ

原題 : MUTHU
製作 : 1995年
製作国 :インド(タミル語)



監督:K・S・ラヴィクマール/脚本:K・S・ラヴィクマール/
音楽:A・R・ラフマーン


(あらすじ)

ムトゥは、タミルナードゥ州の大地主のラージャに仕え、実直で明るい性格、
しかも腕っ節が強く実直な人柄は、主人と、主人の母親からの信頼が厚く、
使用人たちの間でも人気者でした。

主人ラージャは、今だ独身で結婚する気は更々無ありませんでしたが、
彼の誕生日に出かけた芝居で看板女優のランガナーヤキに一目惚れしてしまいます。
ラジャーは、ランガをどうしても妻にしたいと思い詰めてしまいました。

ところが、ランガはムトゥに恋をしてしまうのです...。

さらに、強欲な叔父アンバラの悪辣な陰謀が絡み、ムトゥは屋敷から
追放されてしまうのでした。

そこに突如として現われた聖人、その正体は、そしてムトゥの出生にまつわる
驚くべき事実が明らかに・・・。

日本では1998年6月13日から東京・渋谷区のシネマライズで単館上映され、
インド映画としてはかつてない入場者数を記録し、ロングラン上映となりました。

序盤はインド独特のコメディタッチシーンで少々だる~い感じでしたが、
中盤、聖人が現われたあたりから俄然面白い展開となっていきます。

元気の出るマサラムービーの十八番、歌と踊りのシーンもたっぷり楽しめます。

"ロボット"、"ボス"、"恋する輪廻"とマサラムービーの虜になってしまった
私としては、どうしても観たい1本でした。大満足です。お薦めの作品です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画で「タイガー 伝説のスパイ」を紹介します。

2017年11月23日木曜日

観る年代で映画が変わる Part 20 (ボス その男シヴァージ 原題: SIVAJI/SIVAJI: THE BOSS)

昨日11月22日は、
いい夫婦の日だったそうです。

仲が良いということは魔法の様なもので、そのまわりを幸せにします。
私たち夫婦も、いつまでもそうでありたいものです。


「あんた、がな」
うちのサンタクロースアマゾンやろ、だって」
「そういえば、去年のクリスマスに娘のとこ行ったら、アマゾンの段ボールがあったわ

「ほんまに、サンタクロースを信じてるんやろか?」

「あんた、夢ないな

「こんど娘に、段ボールを隠しとくよう、ゆうとくは」

もう遅いわ、アホか」

[最近の気になるニュース]
11月21日
アメリカのトランプ大統領は北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再び指定しました。

理由
化学兵器でキム・ジョンナム氏を暗殺
アメリカの大学生ワームビアさんを拷問し、死に至らしめた
テロ支援国家指定解除後に核開発を制限するという約束が守られていない

経緯
1988年大韓航空機爆破事件などを受けて、北朝鮮をテロ支援国家に指定しました。
2008年ブッシュ政権が北朝鮮側と核開発の検証方法で合意し指定を解除しました。

オバマ政権は核実験やソニーの子会社のサイバー攻撃で、再びテロ支援国家への指定を
検討したものの、結局見送りました。

トランプ政権では、アメリカ人の大学生が、ことし6月に死亡したことや、
キム・ジョンナム氏が2月にマレーシアで殺害された事件を受けて、
アメリカ議会などから再指定を求める声が上がっていました。

今月2日にはマクマスター大統領補佐官がキム・ジョンナム氏が殺害された事件について、「公共の空港で神経剤で兄を殺害するような行為は、明らかにテロ行為と言わざるを
えない」と述べたうえで、北朝鮮を再びテロ支援国家に指定するかどうか検討していると
明らかにしていました。

トランプ米大統領は今月5日夜にもホワイトハウスでの軍高官らとの夕食会で、
「嵐の前の静けさだ」などと述べ、何らかの軍事行動を示唆しました。

トランプ米大統領今月7日、北朝鮮情勢に関してツイッターで
「歴代の大統領と政権はこの25年間も北朝鮮と交渉し、合意を結び、巨額のカネを払ってきたが、うまくいかなかった」と批判し、対北朝鮮で有効な手段は「申し訳ないが1つしかない!」と述べました。
また「一連の合意はインクが乾く間もないうちに破られ、米国の交渉担当者を笑いものにしてきた」と、北朝鮮に対する強い不信感を表明しました。

トランプ米大統領は今月14日、今月5日からのアジア5カ国歴訪を終え、フィリピン・マニラの空港から大統領専用機で帰国の途につきました。

注目の8日~10日の訪中時に、習近平国家主席との会談では、主に北朝鮮対応や貿易不均衡是正などが話し合われ、なぜか中国の南シナ海での軍事拠点化などには消極的なように思われました。

中国から数十兆円規模の巨額な交渉の成果をあげ、やはりトランプ米大統領はビジネスマンだったかと、やや失望感を抱かされました。

中国訪問以降トランプ米大統領の口から北朝鮮のテロ支援国家指定が語られなくなっていました。

中国国営新華社通信今月20日、「宋氏が朝鮮労働党の指導者と会談し、党大会の精神と歴史的な貢献を報告して北朝鮮側は党大会の成功を祝った」などと伝えただけで、正恩氏と会談したとは明示していません。また「双方は朝鮮半島問題など、ともに関心がある問題で意見を交わした」と報じましたが詳細は不明です。

11月21日トランプ大統領は北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再び指定しました。

今回の決定により、アメリカがテロ支援国家と位置づける国は北朝鮮、シリア、イラン、
スーダンの4か国となりました。

テロ支援国家に指定する意味
北朝鮮の資金源を断つための国際的な圧力の強化につながります。
北朝鮮と合法的に取り引きしている企業や個人に対しても、『犯罪国家に関係していると見なされたいのか』と問うことができます。
テロ支援国家の指定は国連やアメリカによる制裁の対象者だけでなく、北朝鮮と合法的に取り引きをしている人たちにも影響を与えることになり、北朝鮮に対する圧力を強化する国際的な取り組みを後押しします。

テロ支援国家に指定されると
アメリカからの武器関連の輸出や販売が禁止されます。
軍事力やテロの支援能力を著しく向上させる可能性がある物やサービスの輸出や提供が制限されます。
アメリカからの経済援助が禁止されます。

北朝鮮は絶対に核開発を止めることはありえない
アメリカはこれを絶対に認めない。

北朝鮮のミサイル能力は、あと半年くらいの開発でアメリカに届いてしまいます
最終的には、アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする場合もありうるかもしれません。
北朝鮮がテロ支援国家であることが、その正統性の根拠になりうるのでは・・・?

以前に増して、北朝鮮情勢は緊迫してきたと考えられます。

日本の国会は相変わらず、モリカケです。これで良いのでしょうか。
韓国への渡航に対して、対策を考えなくても良いのでしょうか。
もし有事となれば、憲法の制約などで、自衛隊による韓国内の日本人救出が
難しくなるのではないでしょうか。

それでは、インド映画「ボス その男シヴァージ」を紹介します。

ボス その男シヴァージ

原題: SIVAJI/SIVAJI: THE BOSS
製作: 2007年
製作国:インド(タミル語)


監督:シャンカール/音楽: A・R・ラフマーン

出演:ラジニカーント(シヴァージ)/シュリヤー・サラン(タミルセルヴィー)

(あらすじ)
アメリカでコンピュータ関係の事業に大成功を収めた実業家シヴァージが、
故郷インドに帰国し、貧しい人々のために無償で利用できる病院や大学を
設立しようと計画します。

同時に古風な美女タミルに一目惚れをしてしまい、彼女との結婚を決意します。
そして家族ぐるみでの猛烈なアタックを開始したのです。

しかし、地域の病院ビジネスを独占してきた悪徳企業家アーディセーシャンは、
卑劣な妨害工作で計画を中止させ、シヴァージを破滅に追い込むのです。

全財産を失ったシヴァーシ゛は、一枚のコインで占います。
そして多少卑怯な手を使ってでも果敢にアーディセーシャンと戦うことを決意します。

富豪達のブラックマネーの証拠を掴み、半分を脅し取り、その金をアメリカで洗浄し、
その資金で頓挫した計画を実現させていきました。

だが、アーディセーシャンの罠にはまり、シヴァージは逮捕されてしまいます。
そして、更に命までも…。


シャンカール監督はクレーン撮影や広角レンズを使った撮影方法とテンポの良い編集、
当時の最先端のVFX技術を駆使し、飽きさせずに濃度の濃い画面作りに成功しました。

インド映画最大の映画賞である2008年「ナショナルフィルムアワード」では
最優秀美術賞と最優秀特殊効果賞を受賞しました。

この時VFXを担当したのが、インド最高のCG会社インディンアーティスツで、
そのスーパーバイザーがシュリーニヴァース・モーハンでした。
シャンカールとのこの時の仕事がきっかけで『ロボット』が生まれた
とシュリーニヴァースは語っています。

実在したインドの伝説的な俳優シヴァージ・ガネーシャの一生をモチーフに、
インドにはびこる悪政と貧困を変えようと立ち上がる「ボス」を熱演するのは、
インドを越えて世界を魅了するスーパースター、ラジニカーント。
私財を投げうって無料の病院や学校を建設するという信念を貫き、
貧しい人々から「ボス」と慕われる役柄です。

映画の中でこの役は、インドで実際に慈善活動を続けるラジニカーント自身の姿と
重なります。
またラジニの決めポーズである、コインを手から手に移動させてポケットに入れる
“ラジニスタイル”とともに本作は市民から広く愛されているのです。

インド、タミル語圏が誇るスーパースター、ラジニカーントが大活躍する
マサラ・アクション・ムービーは、上映時間185分。
堂々の3時間超えの大作です。
善玉と悪玉が、やられてはやりかえし…を何度も繰り返し、その合間に歌って踊るのだから、大長編なのは当然でしょう。

ノリノリでエキゾチックなインドミュージックと1曲につき数百人で踊る
大群舞のダンス、ド派手なアクションが活写されます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もインド映画で、「マダム・イン・ニューヨーク」を紹介します。