2018年2月10日土曜日

観る年代で映画が変わる Part 27 (瞳の奥の秘密 原題:EL SECRETO DE SUS OJOS)

平昌冬季オリンピックが始まりました。

安倍晋三首相は9日、平昌冬季五輪の開会式に出席するため、五輪開催地近くの江原道・襄陽(ヤンヤン)国際空港から韓国入りした。
 安倍首相はこの日午後、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談を行い、五輪開会式に出席する。10日は日本選手団を激励し、アイスホッケー女子の日本対スウェーデン戦を観戦する。同日夜に帰国する予定だ。
【ソウル聯合ニュース】

韓国・平昌冬季五輪開会式に出席するため韓国入りした安倍晋三首相は9日、開会式会場近くのホテルで文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。首相は慰安婦問題に関する2015年の日韓合意の着実な履行を求める。北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めるため、日米韓が緊密に連携する必要性も確認したい考えだ。
 首相は日韓合意に関し、文氏が謝罪などさらなる措置を求めたことを受け、合意は「最終的かつ不可逆的だ」とする日本政府の立場を伝える。平昌五輪を機に融和姿勢を見せる北朝鮮への対応については「ほほ笑み外交に目を奪われてはいけない」と改めて圧力強化を呼びかける。
 両首脳の会談は昨年9月にロシア・ウラジオストクで開催されて以来で3回目。安倍首相の訪韓は15年11月の日中韓首脳会談以来で約2年3カ月ぶり。
【毎日新聞】


「あんた、なんで安倍さん、韓国に行ったんやろか?
「みんな、反対しとったんちゃうのん!」

「ようわからんけど、報道では目的が3つくらいやゆうとったな」
慰安婦問題と、北朝鮮への圧力と、選手団の激励やろ」
「そやけど、本当の目的は一つだけやと思うで」

「なんやの、それは・・・わからへんわ」

慰安婦問題で、わざわざこちらから韓国に出向いたら、既にその時点で外交上、
負けたことになる」
北朝鮮の圧力も、この時点で文在寅に言っても、どうせ聞く耳持たんやろ、無駄や」
選手団の激励は、日本から出発する時にしたらすむ話や」

「だったら、なんでやの?」

「それは、直接伝えたい事があるからとちゃうかな」
「たぶん、オリンピックが終わった後の、朝鮮半島についてやと思う」
「安倍さんが文在寅大統領に言ったと想像したことを、勝手に大阪弁で言うで」

文さん、日本もアメリカも戦争は絶対に避けなあかんと思ってますねん、
そやけど、今の、あんたの振る舞いは、世界中が努力していることに
逆行しとるんと、ちゃうやろか。
このままでは、あんたがアメリカに戦争をそそのかしてるとしか思われへんで。
戦争になるか、ならんかは、あんた次第や!
そのこと、トランプさんも心配しとったで。よう考えや


「あんた、作り話上手いな、でも、ホンマやろか

「会談かて、安倍さんが文大統領に伝えるだけなら、時間もかからへんしな」
「報道陣に発表したことは、そのカモフラージュちゃうか」

「文はん、大変や、オリンピックどころでない

「・・・・・・・・・・・・・・・・・?」


それでは、アルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」を紹介します。

瞳の奥の秘密

原題:EL SECRETO DE SUS OJOS / THE SECRET IN THEIR EYES
製作年:2009年
製作国:スペイン=アルゼンチン

監督:フアン・ホセ・カンパネラ/原作:エドゥアルド・サチェリ/
脚本:エドゥアルド・サチェリ/フアン・ホセ・カンパネラ/
撮影:フェリックス・モンティ/音楽:フェデリコ・フシド

出演:リカルド・ダリン(ベンハミン・エスポシト)/ソレダ・ビジャミル(イレーネ・メネンデス・ヘイスティングス)/パブロ・ラゴ(リカルド・モラレス)/ハビエル・ゴディーノ(イシドロ・ゴメス)/
カルラ・ケベド(リリアナ・コロト)/ギレルモ・フランセーヤ(パブロ・サンドバル)

(あらすじ)

冒頭、画面いっぱいにアップで、見つめる女の瞳が映し出される。

続いて、黒いバックと脇に立つ男の腰から膝までのアップ。
男がバックに手をかけ、歩き出す。停車している電車の車両にそって。

静かでゆっくりとした、ピアノの曲が流れている。
ショパンのようで、そうではない。
別れの曲にどこか似ているが、音の数が極端に少ない。
美しい曲だが、どこか暖かい感じがする。

男の車両に駆け寄る女、そしてガラスの窓越しに二人の手が。
列車は走り出す。
やがて、ホームに取り残され走り続ける女の姿がが小さくなっていく。

男は小説を書いているが、思うように書けない。
何気なくメモした文字。 Temo (怖い)

刑事裁判所を定年退職したベンハミン・エスポシトは、
仕事も家族もない孤独な時間と向き合っていた。

残りの人生で、25年前の殺人事件を題材に小説を書こうと決意し、
久しぶりに当時の職場を訪ねる。

出迎えたのは、彼の元上司イレーネ・ヘイスティングス。
変わらずに美しく聡明な彼女は、今や検事に昇格し、2人の子供の母親となっていた。

彼が題材にした事件は1974年にブエノスアイレスで発生したもの。
幸せな新婚生活を送っていた銀行員リカルド・モラレスの妻リリアナで
23歳の女性教師が、自宅で暴行を受けて殺害されたのだ。
現場に到着したベンハミンは、その無残な遺体に衝撃を受ける。

やがて、捜査線上に1人の男が容疑者として浮上。
その男はリリアナの幼なじみ。
古い写真に写った、彼女を見つめる彼の瞳には暗い情熱が宿っていた。
ベンハミンは部下で友人のパブロ・サンドバルと共に、その男の居場所を捜索。

だが、判事の指示を無視して強引な捜査を行ったことで、
事件は未解決のまま葬られることとなってしまう。

そして1年後。
ベンハミンは駅で偶然、モラレスと再会。

彼は毎日、曜日ごとに駅を変えて容疑者が現れるのを待っていた。
彼の深い愛情に心を揺さぶられたベンハミンは“彼の瞳を見るべきだ。
あれこそ真の愛だ”と、イレーネに捜査の再開を嘆願。
ベンハミンとパブロはようやく容疑者逮捕の糸口を掴み、事件の真相に辿り着くが……。

25年後、タイプライターを前に自分の人生を振り返るベンハミンに、
イレーネの存在が鮮やかに甦る。
いまだ過去に生きる自分と決別するために、彼は事件の裏側に潜む謎と、
今も変わらぬイレーネへの想いに向き合うことを決意する。

果たして、ベンハミンは失った歳月を取り戻すことができるのだろうか……?


アルゼンチン・アカデミー賞では13部門で受賞を果たすとともに、
第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した話題作です。

25年前の未解決殺人事件を題材に小説を書き始めた孤独な主人公が、
葬られた事件の真相と改めて対峙していくなかで、
次第に封印していたはずの愛も甦らせていくさまを巧みな脚本と演出で
描き出していきます。

挿入曲も素晴らしい。
「Her Eyes」から引きこまれ、特にサッカー場の感動的な「Passion」、そのほか
「Main Theme」「The Doubt」「In the Cage」「The Call」「The Doubt (Reprise)」と、全23曲、どれも素晴らしいです。サントラファンにはお薦めです。

25年間の隔たりを、サスペンスと人間ドラマと愛とが交錯する緻密な構成は、
神業ともいえると思います。

随所に登場する、懐かしい、オリベッティのタイプライターのAが壊れていました。
ラスト場面でベンハミンは、
メモ書きの Temo(恐怖) に、ペンでAを加え、Te  Amo  (I love you) としました。

まだ観ていない人は、是非 観て欲しい映画です。
必ず観てよかったと思いますよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、
本作のハリウッド、リメイク版、「シークレット・アイズ」を紹介したいと思います。