2017年8月3日木曜日

観る年代で映画が変わる (荒野の用心棒 英題:A Fistful of Dollars)

大阪は連日35度を超す猛暑日、とは言うものの、
クーラーの良く効いた部屋で、涼しい顔をして古いアルバムを見ていた妻が突然、
「あんた、今見ると、そうでもないな」
それを聞いた私は、「・・・・」
(大阪のおばちゃんかと言いかけて、言葉を呑んだ)
パソコンから、やしきたかじんさんの<やっぱ好きやねん>の歌が流れていた。

私たちにも、傷つくことも厭わずにがむしゃらに突っ走った青春があったんだ・・・。

しかしながら、妻の率直な感想、それは正しい。
当たり前ですが、人は年齢により感じ方や、好み、考え方などが変わります。

むかし観た映画を今観るとまったく違った感じがするなんて場合がありますよね。

そこで今回は、私が映画好きになったきっかけの映画を紹介したいと思います。

荒野の用心棒 

原題 : Per un Pugno di Dollari 英題:A Fistful of Dollars
製作年 : 1964年
製作国 : イタリア
監督セルジオ・レオーネ(ボブ・ロバートソン名義)/原作黒澤明/菊島隆三/脚本:セルジオ・レオーネ(ボブ・ロバートソン名義)/ドゥッチオ・テッサリ/ヴィクトル・A・カテナ/ハイメ・コマス/撮影:ジャック・ダルマース/音楽エンニオ・モリコーネ
出演:クリント・イーストウッド/ジャン・マリア・ヴォロンテ/マリアンネ・コッホ/ヨゼフ・エッガー/マルガリータ・ロサーノ
(あらすじ)
舞台は、1872年ニュー・メキシコのとある村。
その村は対立する二組の無法者グループに支配されていた。
ある日凄腕のガンマン、ジョー(C・イーストウッド)が現われ、とりあえず無法者ロホ兄弟の用心棒となる。それは一方の無法者モラレスの手下四人を殺ったからだ。
酒場の亭主から村の事情を聞きだしたジョーは、両者の対立を利用して無法者達を一掃しようと考えた。
ロホ兄弟の弟ラモンがマリソルという子持ち女を自分のものにしようと監禁しているのを知ったジョーは、見張りの手下を始末し、母子を逃がす。そして、これをモラレスの仕業にみせかけようとするが、見破られ捕らえられてしまった。
ラモンはジョーに、マリソルの行方を自白させようと激しく拷問した。その夜、半死半生のジョーは、スキを見てロホ家をぬけ出し、棺桶屋のオヤジの手引で安全な隠れ家に身を寄せた。棺桶屋のオヤジは、ロホ一家の手下共をだまして手に入れた拳銃をジョーに渡した。ジョーは左手が使えなくなり、右手で戦うしかない・・・。
ジョーの失踪に慌てたラモンたちはまず酒屋の亭主を捕えた。
そしてモラレス家に殴り込みをかけた。
不意を襲われたモラレスは簡単にやられてしまった。
ラモンは酒屋の亭主を通りの真中に吊るし、ジョーをおびきよせようとしていた。
静寂の村に単身で姿を現したジョーやいかに・・・。

イタリアで公開された黒澤明の『用心棒』を見て感銘を受けたセルジオ・レオーネが、日本の時代劇『用心棒』を西部劇に作り変えようとしたのが始まりである。レオーネは同僚の撮影監督や脚本家たちを誘って再度『用心棒』を鑑賞、脚本執筆の参考にするために映画の台詞をそのまま書き写したと言われている。

マカロニ・ウェスタンの名作。映画自体はスペインのアルメリア地方で撮影された。1967年にアメリカで公開されて大ヒット、以降のマカロニ・ウェスタンブームの火付け役となった。クリント・イーストウッド演じる主人公のアンチヒーロー的な魅力、本場アメリカの西部劇ではあまり見られなかった生々しい暴力描写と並んでエンニオ・モリコーネが担当した楽曲も高く評価されている。三池崇史監督が2007年に制作した『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』は、「続荒野の用心棒」のオマージュです。

私がこの映画を始めて観たのは10代の頃、イーストウッドは小父さんに見えました。
30代の頃は、同年配に、そして今は、彼が年下です。観る年代で映画が変わる。
今から50年以上も前の作品とはとても信じがたい凄い映画です。
時間が許せるならば、ぜひ観て欲しい作品です。

次回は続編、夕日のガンマンを紹介します。

又会いましょう。